在宅介護は痩せる?栄養管理が難しく低栄養だと死亡リスクが上がるので注意

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在宅介護を行っている被介護者が痩せてしまうことがあります。

介護中に栄養摂取量が足りていないことにが原因だと言われています。

日々の介護をしながら、栄養管理までするのは至難の業ですが、介護と栄養管理は非常に大切です。

介護中に痩せていくことは衰弱の原因や、死亡リスクが上がることにも繋がるので注意する必要があります。

今回は在宅介護で気をつける、体重減少と在宅介護に詳しく記載していきます。

記事の要点

  • 被介護者が痩せるのは死亡リスクの増加に繋がる可能性が高い
  • 栄養が足りていない(痩せている状態)は介護度が上がったり、寝たきりなどの原因に
  • 介護者自身の体調管理も併せて気を付けないと、共倒れのリスク増

なぜ介護中に痩せると死亡リスクが上がるのか?

では、なぜ在宅介護をしていて、被介護者が痩せていくと死亡リスクがあるのでしょうか。

実は食事から栄養素が足りていないことで体を動かす器官を強くすることにより介護度が上がったり、寝たきりになるケースがあるのです。

その多くは低栄養状態と言われる、BMI18.5以下の状態が大きく関わってきます。

痩せていくことで低栄養状態になり介護度が上がったり、衰弱に繋がる

低栄養は674万人いると言われており、国立長寿医療研究センターの研究で、「低栄養&低栄養の恐れあり」の在宅介護者の割合は7割を超えていると言われています。

この低栄養は非常に厄介で、フレイルやサルコペニア、ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)など高齢者が気をつける病気や健康状態に繋がっていきます。また、低栄養で体を動かす力が足りず、骨折・転倒でそのまま寝たきりになってしまったというケースもあります。

では、そもそも低栄養とはなんでしょうか?

低栄養とは

低栄養とはBMI18.5以下の人のことで、18.5-20以下を低栄養リスクといいます。

食欲の低下や口腔機能の低下により食事が食べにくくなり、痩せてしまい、体を動かすことが出来なくなっていきます。

低栄養状態だと食事をとることが面倒になり、体を動かすエネルギーや筋肉、皮膚、内臓などを作る栄養が不足し、最悪寝たきりなどになる恐れがあります。

食事がとれないことで、虚弱体質になったり、身体機能が落ちたり、運動器機に障害が出たりする恐れがあります。

また、口腔機能が低下することで、誤嚥性肺炎になる可能性も非常に上がります。
誤嚥性肺炎は一度発症すると、高確率で再発する確率が高いので注意が必要です。

若い時は痩せていることを望む人が多いですが、年を重ねると痩せていることで健康被害や死亡リスクが上がります。

年を重ねた時は痩せていることよりも、多少ぽっちゃりの方が体力があったりして、推奨している医師も多いのが現状です。

このように、在宅介護では痩せていくことで要介護のレベルが上がるだけではなく、色々な健康問題が起きてしまいます。

噛む力・飲み込む力などが落ちていくことで家族が気づきづらい状況を生み、低栄養から悪循環を生んでしまうのです。

食欲がなくなる原因は様々。高齢者理解がカギ

年を重ねると食欲が下がっていく傾向にあります。理由はいくつかあり、

食欲がなくなる理由

  • 噛む力・飲み込む力が減少し、食事が億劫になる
  • 食事中にむせる回数が増え、食事が億劫になる
  • 年とともに、味を感じる細胞が減少し塩味、苦味の味をより感じづらくなる

また、味の変化は若い時と比べ数倍~10倍以上の味の濃さを求めてしまうので、周りからしたら理解しづらいのが現状です。

介護者は塩分を気にして提供することで、被介護者の求める濃さになっておらず食事を避けてしまうこともあります。

食欲が低下し、感じる味も昔と違う―。介護者からしたら分からないことだらけです。

在宅介護で痩せないために出来ること

被介護者が痩せることの危険性を説明してきましたが、どうすれば痩せることを対策できるでしょうか。介護者が気を遣うことは体調管理と食事管理。そして市販の傾向栄養食品などを活用していくことが望ましいでしょう。

体調管理と介護サービスとの連携を!

まずは、被介護者の体重がどの程度変化しているかを管理しましょう。
見た目で痩せていくということは、体重を数値で見た時の変化も大きいと思います。

まずは、どの位数字で体重が変化しているかまとめていきましょう。

訪問介護サービスなどを活用している方は、ホームヘルパーさんと連携して栄養管理をしてもらいましょう。

しかし、在宅のサービスの低栄養などの管理は施設介護に比べると弱く、栄養管理をしっかりしてもらいない場合もあります

そのため、痩せてきたと感じたら体重管理は介護者の方である程度やることをオススメします。

食事は被介護者の噛む力・飲み込む力に合っているか?

体重管理後は食事の管理を見直しましょう。
年を重ねると、噛む力・飲み込む力が低下していくのでその人にあった食事の固さを選ぶ必要があります。

食事の形態が合っていないと食事への意欲の低下、誤嚥性肺炎に繋がる恐れがあるので注意しましょう。様々な原因で食事を敬遠してしまっている可能性があります。

食事の固さが合わないと

  • 食事が噛めない、飲み込めないことで食欲低下
  • 食事への意欲が低下
  • 咽る原因になり誤嚥性肺炎に繋がる

食事の固さが合わないと、誤嚥性肺炎などに繋がる恐れがあります。そうならない為にも、あなたにあった食事の固さが分かる診断を作りました。こちらであなたにあった食事の固さを調べてみてください。

家でその人に食事の固さに合わせて食を作るのは限界があると考えています。

噛む力、飲み込む力が低下すればするほど、食事はやわらかくなり見た目もすべて一緒になりがちです。

そうなると、被介護者は余計に食事をとらなくなる傾向があります。ペースト食やきざみ食でも美味しいと言って食べてくれる人もいますが、食べてくれない場合は対策をしましょう。

介護する人の肉体的、精神的負担を少しでも軽減したほうがいいため、「食事の固さ診断」では、診断結果後、あなたに合った介護食一覧も表示されますので活用してください。

固さ診断はコチラ

食事以外では、高齢者向けの栄養補助飲料もあるので、食事と+αで活用するといいでしょう。

医療現場でも利用されているメイバランスという栄養補助飲料があります。これ一本で不足しがちな栄養素を多くカバーできるので医療現場、介護現場でかなり利用されています。

本人との話し合い

介護サービスの利用、食事と栄養の管理をおこなっても本人との話し合いが上手く行われなかった場合、被介護者の体調を整えるのは難しいでしょう。

介護の現場でよく耳にする本人との話し合いで問題になるのは以下のことです。

被介護者と話が進まない原因

  • 生い先短いから、そんなことはしなくていいと言われる
  • こちらの言うことを一向に聞いてくれない
  • そんなに年をとっていないなど、自分が若いと思っている
  • 介護者や介護サービスの人へのリスペクトが足りない

もし、介護者が痩せていくことの対応策をしたいと思っても、その案が拒否される場合は粘る必要はないと思います。

このままではさらに体調が悪くなっちゃうよ?と言って、本人が望まないなら諦めるしかないかもしれません。

ドライな対応かもしれませんが、これは介護者の身を守ることにつながるのです。

介護は介護者を精神的・肉体的に疲れさせるので痩せないように注意

過去の記事でも書きましたが、在宅介護は自分の家族のことと被介護者のことを考えないといけません。

小さい子供を育てるのとは違い、体の大きな大人の面倒を見るのは肉体的・精神的にくることが多いです。

罵詈雑言、愚痴や不満などを言われることもありますし、こちらの提案を全く聞いてくれないこともあります。

こういうことが多くなると、介護者自身が体調を悪くする例も少なくありません。

>在宅介護に疲れた時は「共倒れ」しないように自分を大切にすること

介護する人が痩せないように体調管理を

被介護者が痩せることで起きる健康被害を伝えてきましたが、在宅介護をやる上で介護者が気を付けなければいいけないことは、介護者自身が痩せないように体調管理をしていく必要があるということです。

在宅介護に家事、そして仕事など、家の中でやることが増えていきます。

年を重ねると代謝が落ちていき痩せづらくなる傾向がありますが、在宅介護をしていると介護をしている人が精神的疲労と肉体的疲労が合わさり痩せてしまうケースがあります。

こうなると、被介護者と同じ様に食事をしっかり摂れていないと低栄養を引き起こし、自身が介護を受ける側に回るリスクもあります。

女性が介護を受ける原因、「骨折・転倒」、「衰弱」で30%も

実は女性の場合、介護を受ける原因が「骨折・転倒」、「衰弱」で30%を占めています。そして、介護をする人も女性の方が圧倒的に多いのです。

女性の方が男性よりも一般的に筋力が少ないので、年を重ねることで運動レベルが落ちやすい傾向にあります。

年を重ね筋力が落ちているところに、食事が摂れていない状態は非常に危険です。

精神的・肉体的な疲労がたまることで、一気に骨折・転倒、衰弱に近づき、自身が介護を受けなければいけなくなってしまうのです。

女性の方は特に、日常的に食事と運動を心掛ける方がいいと思います。また、筋トレは筋肉を強化することに繋がるので男性にも女性にもおすすめです。

在宅介護は自身の健康を守り、食事と運動を心掛ける

在宅介護では介護者も被介護者も痩せていくことは非常に危険です。

介護者は自分が介護を受けないように健康でいた方がいいですし、被介護者も少しでも健康でいることが求められています。

介護者は被介護者と向き合い、共倒れにならないように線引きする必要がでてきています。

栄養をしっかり食事で取り、体を動かし、筋肉を付けましょう。

こうすることで、老々介護になっている現代でも、少しでも自身の介護を遅らすことに繋がります。

在宅介護では介護者も被介護者も痩せないように気を付けよう

在宅介護では痩せることが、介護者にも在宅介護者にも危険であることを説明してきました。

「年を重ねた人で元気な人は良く食べ、よく運動している」と聞きますが、これは本当だと思っています。

人生100年時代、少しでも健康で楽しく過ごせるように、日々の生活を見直していきましょう。

食事・運動だけではなく、ストレスを溜めないことが大切です。

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  • この記事を書いた人

insiru

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