介護は誰がしているのか ― 。
内閣府が行った調査によると介護者の性別は女性が66%、男性が34%。
続柄では25.2%が配偶者、21.8%が子供、そして9.7%が子供の配偶者となっています。
男性の介護者の割合が30%になったのはここ数年です。それまでは女性の割合が本当に多かった現状があります。
女性の方が男性よりも介護をしている割合が多いため、今までの介護の現場では「義理の両親の介護も嫁がやる」という雰囲気がありましたが、本当にそれでいいのでしょうか?
今回は「義理の両親への介護ほん本当に嫁の仕事なのか?」について詳しく書いていきます。
義理の両親の介護は嫁だけの仕事ではない!
介護サービスの選択肢も!

両親の介護をする場合、嫁の仕事ではなく介護者の家族で行うべきです。
しかし、現実は子供は仕事が忙しいなどの理由で嫁が介護をするケースが多く、結局は介護は嫁の仕事とされることがあります。
また、介護をする子供の家族だけではなく、兄弟がいる場合は連携をしていくのが理想です。しかし、そんなに現実は甘くありません。
兄弟が遠方にいる場合は、結局は近くの子供と配偶者である妻が面倒をみることになりますし、結局は妻へ押し付ける話も多く聞きます。
妻への精神的・肉体的ストレスは計り知れないでしょう。
面倒は誰かが見なきゃいけないが、誰かが犠牲になる必要はない
親の介護は誰かが見なければいけません。それが配偶者なのか子供なのか、それとも子供の配偶者なのか。
今までは義理の両親ということで面倒をみてきた女性も多いと思いますが、これからは介護をする余裕のない家庭が増えてくると思います。
日本は超高齢者社会で若い世代の負担は大きいですし、共働きだったりと生活が多様化してきています。
従来の様に義理の両親の面倒を無理してみるということを避ける時代に突入する可能性が高いのです。
家族は面倒を見られない場合は、介護サービスを利用するしかないですし、そもそも義理の両親だろうと、自分の両親だろうと、誰か一人の介護量が増え、犠牲になることはないと思われます。
自分たちの生活を守るために必死なのに、義理の両親の面倒をみてしまったら自分たちの老後も大変になります。
実際、今の日本は65歳以上の人が介護をしている老老介護と言われており、体力的にも資金的にも介護をする負担が非常に増えています。
在宅介護をする場合、誰かが犠牲になる必要はありません。
旦那が介護を手伝わない、兄弟・姉妹が介護を手伝わないと感じたらお金はかかりますが、介護サービスに切り替えることが健全です。
介護相談で話を聞いてみると介護を押し付けられていると感じている人が多いです。
一方、介護者たちは辛いと言いながらも、被介護者への感謝の気持ちを持っている人も多い印象。
介護者のケアをしつつ、頑張りを認めてあげることが大切だと感じます。
介護は今までの関係が顕著に表れる

義理の両親の介護を子供の配偶者(嫁)が主に背負うのは現代にはマッチしていません。
生活は多様化しみんな日々の生活が苦しいのに、親の介護まで見ている余裕はありません。
しかし、それでも義理の両親の面倒を見たいと思う嫁がいれば、反対に絶対みたくないと思う嫁もいます。
つまり、介護は義理の両親の関係性や旦那との関係性が如実に表れるからです。
いままで義理の両親との関係が良くなかった
古い習わしが少なくなってきた現代ですが、嫁姑問題は完全にはなくなっていません。
「旦那ばかり優遇され、いびられてきたのにどうして私が介護をしなければいけないのか?」と当人は思うはず。
今までの関係構築は非常に大切ですし、介護する人達全員がなるべく納得して介護を行える環境を整えるべきです。
関係が良好でも介護でおかしくなることも
義理の両親との関係が良好でも介護を通しおかしくなることも多いです。
今までは近くに住んでいなかったので気にならなかったことが、介護をするために一緒に住むことで印象が大きく変わることがあるからです。
もしあなたが義理の両親の介護のために一緒に住むことになりそうな場合、介護の内容や介護サービスへの打診は必ずしておいた方がいいでしょう。
介護を手伝ってくれる旦那様でしたらいいですが、指示ばかりで手を動かさない人や何も言ってこないが無関心な人もいます。
どうか、自分だけが犠牲になる選択をしないことをオススメします。
> 在宅介護に疲れた時は「共倒れ」しないように自分を大切にすること
在宅介護が増え、家族から見放される老人が増える可能性も

今後ますます在宅介護が増えると予想されています。
その理由はいくつかあり、「介護施設への入居待ち」、「施設代を払えない人の増加」、「在宅介護の保険改定」が考えらます。
そして、「介護は嫁が参加して当然」と考えている自己中心的老人は介護されないケースが増える恐れがあります
介護施設への入居待ち
現在も地域によっては在宅介護の入居待ちが多い所もあります。
介護レベルが上がり施設で介護できない場合、毎月の入居費が払えない場合や寿命を迎えた場合を除いて長期間住む人が多い傾向があります。
そのため、いい施設はすぐ埋まってしまい、入居待ちという人が多いといいます。
施設代が払えず、在宅で介護する人の増加
施設は高い所だと一か月数十万かかります。
この施設代を払えない人の方が多く、施設よりもお金のかからない在宅介護を選択するケースが増えています。
ある一定の介護度までは自宅で見る人もおり、自分では限界となった場合施設に入ってもらうケースが多いです。
在宅介護の保険改定など
在宅介護の保険がおりる範囲が広がることも可能性としてはあります(狭くなる可能性もある)
在宅介護の割合が増えるにあたって、国が施設でしか認めていない食事代などを保険内にする可能性があります。
これからは在宅介護の割合が増えていく一方、
自分の要望だけ突き付け、周りへの感謝がない被介護者は介護者から見放されるかもしれません。
介護にお金を掛けらない場合、頼れるのは家族です。
そしてその家族を大切にせず、家政婦かなにかだと思っている人に、これからの世の中は風当たりが厳しいでしょう。
義理の両親の介護をやった人しか分からない疲労やストレス

義理の両親を介護した人しか分からない苦しみや疲れ、ストレスが存在します。
家族全員が助けあって行わないと誰か一人に苦痛が集中してしまいますので注意が必要です。
被介護者と一番近い人にしか分からない辛さや孤独感は、なかなか理解されづらいでしょう。
介護をしている人を追い込むことはせず、ねぎらい、褒めてあげることが何よりも大切です。
介護を行う人は不満を抱えながらも、それでもお世話になった人に感謝の意をこめて介護をしているケースをよく聞きます。
介護は嫁だけの仕事ではありません。
家族や兄弟で行うものです。誰か一人が思い介護を行う必要なんてないのです。
義理の両親の介護を一人でするあまり、自分が体調を崩してしまうケースもあります。
また、ストレスから介護鬱を発症するケースも。
そうならないためにも、「義理の両親の介護は嫁の仕事」と言われたら自分が出来る範囲だけ関わりましょう。
そして、介護サービスを活用しながら、自分を守りながら共倒れしないように介護をしていくことをオススメします。
辛いことも多いと思いますが、周りと話しながら無理なときは無理と言っていきましょう。
体を動かし、介護を行っているあなたは本当に尊いと思います。
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