メニエール病の症状とは
メニエール病とは、ぐるぐると周囲のものが回転するようなめまいや、ふわふわと体が浮くような浮動性のめまい、吐き気、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感をうったえる症状で、再発を繰り返すものです。
発作的なめまいにおそわれ、それが起こる頻度は、数分、数時間、週に1度、年に1度など人によって異なります。
発作を繰りかえすことで耳鳴りが慢性化してしまったり、難聴が進行してしまったり、また、平衡感覚の乱れが定着してしまったりと、完治するのが難しくなる恐れもあります。そのため、一度症状が出た時点で、すぐに耳鼻咽喉科に相談することが大切です。
年齢は関係あるのか?
30~50歳代の働く世代に多いといわれており、仕事や多忙によるストレス、疲れ、睡眠不足などが引き金になるケースが報告されています。昔は高齢者には少ないと言われていましたが、最近は高齢の男性にも増えてきています。
高齢者の場合、めまいが健康問題として挙がりますが、これはメニエール病から来る可能性もあるので注意が必要です。
こんな症状はメニエール病かもしれません
- 耳がつまったような感覚がする
- 突然起こる回転性のめまいが10分〜数時間続く
- 何度も同じような症状を繰り返す(再発する)
- 発作前や発作中に耳閉感や圧迫感がある
- 難聴が同時に起きる(低音が聞き取りにくくなったり、音が響いて聞こえる)
- 「キーン」という耳鳴りがめまいと同時に起きる
上記の症状以外でも吐き気の症状、冷や汗、脈が早くなるということも報告されています。このような症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
類似の他の病気とは?
メニエール病の初回発作では、めまいを伴う突発性難聴と鑑別ができない場合が多いです。
その他に外リンパ瘻、内耳梅毒、聴神経腫瘍、小脳・脳幹を中心とした中枢性疾患など原因既知の疾患もメニエール病と類似の症状を呈し、鑑別が必要です。
メニエール病の原因は?

耳の構造は大きく分けて「外耳」「内耳」「中耳」と分かれていますが、その「内耳」を満たしている内リンパ液が過剰にたまり、水ぶくれを起こしてしまうこと(=内リンパ水腫)が原因と言われています。
また、内リンパ液の水腫の内圧が高まると、内リンパ液と外リンパ液の間を区切る膜が破れてしまい、内リンパ液と外リンパ液が混ざりあってしまうことでめまいが起きると考えられています。
リンパ液は健康な方の「内耳」にも入っており、この液体は分泌と再吸収を繰り返しながら、絶えず一定量に保たれています。
しかし、この液体の量が過剰になると、「水ぶくれ」が引き起こされてしまうのです。現在のところ、リンパ液が増える原因には、ストレス、睡眠不足などが関係していると言われていますが、まだ解明されていないことが多いようです。
メニエール病は典型的にはめまいと同時に聞こえが悪くなります。しかしながら、水がたまる場所により、聞こえだけの症状を繰り返えす場合やめまいだけを繰り返す場合があります。
メニエール病かどうかを知る検査とは?

メニエール病は、繰り返す病気なので、一度めまいや難聴、耳鳴りの症状が起きただけでは判断されにくいことがあります。一度症状が出たら、もちろん耳鼻咽喉科へ行く必要がありますが、繰り返す場合はメニエール病を疑い、十分な問診を受けることになります。
必要とされる検査
- 目の平衡機能検査:目の動き(眼振)の状態を確認する
- 身体の平衡機能検査:直立検査・足踏み検査など
- 聴力検査:自覚症状のない難聴がある場合もあるため、中低音の聴力を確認する。
- グリセロール検査:利尿薬を服用して聴力が改善するかどうかを確かめる
- 蝸電図検査:耳の中に電極を置き、音に対する内耳の反応を検査する
メニエール病は問診に時間がかかる
メニエール病は「くり返す」ことが多いです。めまいの診察では体のバランスを調べる検査(目を閉じて足踏みしてもらう検査などがあります)や眼振検査(目の動きの異常を調べる検査)を行います。聴覚症状に対しては耳内を観察し、聴力検査を行います。
症状がめまいのみでも、隠れた難聴がある場合を想定して聴力検査を行う必要があります。逆に聴覚症状のみでも、隠れためまいがないか眼振検査を行う場合があります。
中枢性疾患の除外には、他の脳神経症状がないか神経学的診察も欠かせません。体のバランスを調べる検査で小脳や脳幹の障害が発見される場合があります。
メニエール病にかかったら気をつけたいこと
めまいの発作が起きたら、まず安全な場所で休みましょう。転倒しないように近くの座れる場所へ移動するか、動けない場合はゆっくりしゃがみます。少し落ち着いたら、静かな暗い環境で横になって安静にします。
暗い環境がないときは、周囲の安全を確保しながら、目を閉じて楽な姿勢を取りましょう。発作が起こると誰でも不安を感じるものですが、まずは焦らず落ち着いて身の安全を確保しながら時間を取って休みましょう。
治療としては薬物療法で発作を鎮めることが行われますが、発作を防ぐためにストレスを溜めない生活習慣も大切です。心と体のストレスを解消するために、十分な休養や適度な運動が勧められたり、カウンセリングなどの治療が行われることもあります。
どんな治療をするのか?
強い発作で嘔気が強く、薬を飲む事も出来ない時は安静の上でめまい止めの点滴を行います。内服が可能であれば、めまい止め・利尿剤を中心に抗不安薬や循環改善薬・ビタミン剤などを組み合わせて使用します。発作の初期に上手にめまい止めや抗不安薬などを用いることで、大きな発作の予防や症状の軽減を図る事ができます。
しかしメニエール病にはストレス・睡眠不足・疲労が関与していると考えられており、薬による治療だけでは根本的な治療にはなりません。「薬によって症状を抑える事が出来る」事で少し安心しつつ、ゆっくりとストレスの原因を見つめ直したり、生活習慣を正すことが必要です。
メニエール病は予防できる?
メニエール病を予防するために、普段からできることを実践してみましょう。
- 過労や睡眠不足を避け、疲れを溜めないようにしましょう
- 気晴らしになる趣味やご自身に合った運動を行い、ストレスをためないような生活習慣を心がけましょう
- 塩分(ナトリウム)を控え、お酒・たばこ・カフェインは控えめにしましょう
- こまめな水分補給を勧められることもありますが、心臓や腎臓に疾患のある人は主治医と相談しましょう
睡眠と適度な運動を心がける
めまいは睡眠不足や過労、ストレスが引き金になることがあります。十分な睡眠を取り、心身を休めることを心がけましょう。ストレスを完全になくすことは難しいですが、無理をせず、困ったときはカウンセラーなどに相談するのも1つの方法です。
また、ウォーキングなどの適度な運動は血流を促進し、内耳にも好影響を与えることが期待できます。逆に喫煙は血流を悪くするので控えるようにしましょう。
メニエール病は治療で治る
治療が早い段階から始められれば、1~2か月で症状はほとんどでなくなることもあります。しかし、めまいを何回も繰り返したり、放っていたりすると悪化してしまい、治療しても症状の改善が見られにくくなります。
メニエール病を疑う場合はすぐに耳鼻咽頭科を受診することをおすすめします。病院で治療を受けながら日頃から適度な運動などをしてストレスを和らげることが必要となってきます。
治療の副作用は?
めまい発作時の治療においてはアルカローシス、テタニー等の副作用があり、高血圧、腎機能障害、肺気腫等があれば慎重に投与する必要があります。
一方めまい発作後の治療時に使用されるイソソルビドには、吐き気、おう吐、食欲不振等の副作用があります。腎機能障害、うっ血性心不全などがあれば慎重に投与する必要があります。中耳加圧治療は、非侵襲中耳加圧装置が発生した圧波を耳栓で外耳道に与える治療であり、副作用はありません。内耳中毒物質鼓室内注入術は外来で治療可能ですが、内リンパ嚢開放術や前庭神経切断術で、入院・全身麻酔下の手術が必要です。治療法により術後に聞こえが悪くなる、顔面神経麻痺が出現する等の可能性があります。
まとめ
メニエール病は付き合い方さえ分かって対処していけば、いつか改善できる可能性もあります。普段からストレスをためていたら、メニエール病を予防するためにできることを実践してみることも大切です。耳鼻科に通い主治医のアドバイスを受けながら食生活、普段から運動を心掛けて日々の生活を過ごしましょう。
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