最近耳が聞こえなくなってきた人は一度は補聴器を検討すると思います。つけるのが煩わしい、見た目が野暮ったい、高い…など、補聴器を探し始めると色々な問題に直面します。
しかし、それでも補聴器を付けることで今まで聞こえなかった人の声や音が聞こえるようになり、生活に活気ができると思います補聴器を購入する前に気を付けなければいけないことを医療機器メーカー(補聴器メーカー)の私がしっかり解説します。
補聴器店も眼鏡店も基本は高い補聴器のモデルを紹介しがちです。お店の流れを知らないと、買って後悔することもありますので参考にしてみてください。
補聴器はどこで買えるのか?

まずは補聴器の購入場所を見ていきましょう。補聴器の主な購入先は補聴器専門店、眼鏡店、家電量販店(補聴器を扱う店舗)になります。
以下は補聴器専門店、眼鏡店、家電量販店を訪れるメリット、デメリットです。
メリット | デメリット | |
補聴器販売店 | ■種類が豊富 ■専門スタッフがいる ■知識、経験がある | ■気軽に入りづらい ■高額補聴器を勧められやすい |
眼鏡店 | ■入り易い ■専門スタッフがいる ■知識、技術があるスタッフがいる ■視聴しやすい | ■取扱いメーカーに店舗ごとの差がある ■メガネがメインの店舗もある |
家電量販店 (補聴器取扱い) | ■気軽に入り易い | ■店舗が騒がしい |
病院を受診しても補聴器は買えないケースも
病院を訪問しても病院で補聴器を買える店舗はほとんどありません。病院はお抱えの補聴器業者2~3業者と関係があり、その業者を紹介し、紹介料をもらうシステムになっています。
聴力が衰えてきたと感じた場合、病院に行くことはオススメですが病院がおすすめした補聴器店にいきなり行くことはデメリットもあります。
正直、耳鼻科の先生は補聴器や難聴について詳しい人が少なく、補聴器店に丸投げしているケースが多いです。
- 病院を受診し補聴器店を紹介される
- その補聴器店を訪問する
- 紹介の補聴器店で補聴器を購入する
このケースだと、高額の補聴器を勧められるケースがありますので、補聴器店は2店舗訪れるようにしましょう(後で詳しく記載します)
病院で聴力検査をして、紹介してもらった専門店以外の眼鏡店や他の補聴器専門店も併せてみて、購入するのがいいでしょう。
関連記事:補聴器の買い方!種類、選び方、価格など補聴器の購入までの購入フローを紹介
補聴器を購入するときに気を付けること

では早速補聴器を購入するときに気を付けることを紹介していきます。補聴器購入のシーンに出会うことは人生の中でも少なく、補聴器の買い方を知らない人がほとんどです。
今回は「補聴器を購入して失敗した…」をしないためにぶっちゃけて色々紹介していきます。
1.病院で紹介された補聴器屋だけを信用しない
病院で紹介される補聴器屋だけで補聴器を購入することは辞めましょう。耳鼻科医の先生は耳鼻科の専門でも、補聴器の専門ではありません。補聴器取扱いの資格は持っていますが、詳しくない先生がほとんどです。
ですので、病院の先生は病院に出入りしている補聴器のプロである業者に患者さんを丸投げしています。そして、その紹介料を補聴器屋からもらう構造になっています。
必ず、紹介を受けた補聴器専門店だけではなくほかの補聴器店や眼鏡店も訪れるようにしましょう。2店舗の話を聞けば正しい判断が出来るはずです。
2.補聴器店を2店舗は訪れ、比べる
1と被るところもありますが、非常に重要です。何故大切なのかというと、価格と調整に大きく関わってくるからです。
補聴器は基本オープンプライスで補聴器メーカーから卸値が決まっています。その卸値に補聴器販売店は利益を乗せて販売しています。「これ以上下げないでくださいね」という金額と、「これ以上、あげないで」というのがおおむね決まっています。
ですので、訪れる補聴器店によって金額が変わってくるのです。
また、補聴器は機能を追加していくと金額が上がっていきます。店舗の人によって「この機能をつけよう」というのが変わってくる場合もあるので、1店舗だけで補聴器購入を決めるのは危険です。
補聴器の金額は人と店舗によって左右されるものだからこそ、2店舗は最低店舗を選んだ方がいいでしょう。
3.必ず色んな補聴器メーカーの物を試聴する
補聴器メーカーはメーカーごと、音の感じが変わります。得意不得意があるのではなく、音の質が若干違うのです。
補聴器を選ぶときは店員さんが得意なメーカーを推してくることがあります。会社によって推しているメーカーや、人によって応援しているメーカーが違うので、紹介されるメーカーとブランドに偏りがでるのです。
店員さんがおすすめする物だけではなく、必ず色々な種類を聞かせてもらいましょう。
可能な限り、色々なメーカーの物、色々なバージョンやブランドの物をフィッティングして音の違いを聞いてみてください。少ない数の中、購入する補聴器、レンタルする補聴器を選ぶのは大変危険です。
4.高い補聴器を勧められるので注意が必要

補聴器は平均両耳20万~30万だと言われています。高額な物は両耳100万しますが、難聴度が高くなると高額の物を使用することが多いです。
補聴器屋は必ず高い物から安い物を提案していきます。理由は簡単で能力が高いのと高額の物の方が満足度が高いからです。しかし、本当に自分にその補聴器が合うかは使ってみないと分かりません。
両耳30万の補聴器を試聴するときは、必ずその下の両耳15万くらいのグレードの物も併せて聞かせてもらってください。「金額が高い…」と言えば必ず下のグレードも聞かせてもらえます。
またその時、他のメーカーの同じ価格帯の物も併せて聞かせてもらうようにしましょう。
5.必ず無料レンタルをする
気に入った補聴器は必ず無料レンタルをしましょう。補聴器は実際に自分が生活する環境下で使ってみないと分かりません。ほとんどの補聴器店では無料レンタル期間を設けています。必ず無料レンタルをして自分が使いこなせるか、ちゃんと聞こえるかの確認をしましょう。
- 補聴器を使いこなせるか(充電方法、耳への装着、アプリとの連動の時は使いこなせるか)
- 自分の環境下で音が聞こえるか
①テレビの音はしっかり聞こえるか?
②人との会話は聞こえるか?
③大人数の人との会話も問題ないか? - 毎日の生活でつかえそうか
毎日使うのが嫌になる人もいます。しっかり毎日使えるのか家族の場合は確認する必要があります。
6.新しい音に慣れるのは三か月かかると言われる…が
どの補聴器メーカーも集音器メーカーでも同じこと言います。「新しい音に慣れるのは三か月かかります」。これが決まり文句です。たしかに音は新しい音に慣れるのに三か月くらいかかると言われています。
しかし、それは音に慣れる間に三か月間であって、耳へのフィット感、音のノイズ感、機械音がするは三か月たってもなれません。
補聴器は購入して使わなくなるケースも多いので、最初に拒否反応は出るモデルは使わない様にしましょう。
ですが、必ずと言っていいほど補聴器店は「慣れるのに時間がかかりますから、大丈夫だとおもうんですよね」と言ってくるの注意が必要です。
7.自分の感覚を尊重する(補聴器を付ける家族の感覚を)
補聴器を付ける人の感覚を尊重してあげましょう。補聴器は自分で聞こえづらくなって店舗に足を運ぶ人より、家族に聞こえを指摘されて補聴器店や耳鼻科に足を運ぶことの方が多いです。
補聴器を付けて聞こえる音は、その人にしか分かりません。
新しい音に慣れたり、聞こえなくていい良かった音が聞こえるようになることは本人しか分かりません。
補聴器を付ける本人が聞こえに不自由をしているなら、徹底的に自分に合う補聴器を見つけるまで時間と労力をかけることが必要です。周りの人は強引に店に連れていくことや、本人が納得していないのに購入を急かすことは辞めましょう。
8.補聴器店は沢山ある。焦らずゆっくり探す
補聴器は購入したが、使わないでタンスの中で眠っている人は多いです。時間を掛け、納得して、自分に合うかの確認をしないと高価な補聴器を購入しても結局使わなくなるケースがあります。
高価な買い物だからこそ、時間を掛け色々な補聴器店をめぐり、どんどん試聴してレンタルしていきましょう。
9.補聴器店のスタッフを信頼しすぎない
「補聴器販売の資格を持っているから」「専門知識を持っているからこの人に任せておけばいい」。確かに中には技術を磨き、補聴器販売に情熱を燃やす方もいます。しかし、信頼しすぎて販売員の提案をすべて鵜呑みにするのは辞めましょう。
と言うのも、補聴器を付けるのは本人だからです。本人の聞こえは家族にも、販売員にも分かりません。
知識がある専門スタッフだからといって信用すると、聞こえをよくするためオプションや使いこなせない機能をつけられ、結果高額になってしまいます。そして、この場合ほとんどの人は購入後、補聴器を使わなくなる可能性が非常に高いです。
10.「使いこなせるか」必ず慎重に考えよう
補聴器とスマホと連動して調整が出来るや、1週間に1回電池を交換するなど補聴器は機能によって金額が変わります。
スマホ連動をつけた場合、本当に使いこなせるのか?1週間に1回、面倒くさがらず電池を交換できるのか?
毎日使う物だからこそ、しっかり考える必要があります。
ほとんどの高齢者はスマホ連動は難しくて使いこなせないです。いくら店員さんが「簡単なので慣れれば大丈夫です!」「家族で設定すればOK」と言っても無理がある場合があるので注意が必要です。
補聴器購入は知らないことばかり!
補聴器購入は難しいことばかりです。しかし、しっかり対策をすれば自分に合った補聴器が見つかり、あなたの新しいパートナーになります。今回紹介した10のことは補聴器購入が初めての人には絶対参考になるはずです。
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