難聴の親とのコミュニケーションで気をつけるポイント|高齢の母の難聴に気づいてからやっていること

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難聴になった方の悩みを共有するのは大切ですが、またその悩みを解消するのも大切なことです。難聴者本人と家族、友人とのコミュニケーションには特に苦労が伴い、お互いが常にストレスを感じながら暮らしています。

この記事では、難聴の母と息子の私がそのストレスを少しでも解消できるよう、コミュニケーション方法を自分なりに考え、どのような行動や対策をとったのかをお伝えします。

また医師の助言やインターネットでの情報なども参考にし、円滑な意思疎通を図るために苦労したこと、気をつけていることも併せて紹介します。家族が難聴の母とのコミュニケーションをどのように取ったのかをお伝えしますので、ぜひ参考にして下さい。

今回の作者
シニアライターyasuさん

60代男性 奥さんの在宅介護に伴い仕事をやめWebライターとして活動中。母親が難聴でその時の体験談を執筆

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難聴だと気づくまで

私の母は令和4年で90歳になる超高齢者ですが、健康診断結果では、難聴以外は身体に不調はありません。

父は7年前に他界し、母は実家で一人暮らし。姉は実家と300km離れて暮らしており、長男の私は実家と車で30分程度の距離の自宅に住んでいます。

母の難聴に気づいたのは、父が亡くなり、実家で一人暮らしを始めた頃からでした。

携帯会社で購入した安い補聴器を使用していましたが、時折、声や音が聞きづらいことかあると私に訴えていました。

そこで週に1度は安否確認のため、電話で体調などを確認していましたが、固定電話や携帯電話にかけても電話に出ない日が増えていました。その度に、実家まで様子伺いに行き、母が実家にいることを確認した後、帰宅する頻度も増えました。

2年前からは、実家のチャイムを鳴らしても玄関の鍵を開けない等、日常生活に支障があることが分かり、何か起こってからでは遅いと判断し、具体的な対応を考えることになったのです。

難聴を治すためにおこなったこと

①補聴器専門店に電話で確認

耳鼻科で聴力などの診察を受けた後に相談して欲しいとの返答。そのため、まずは耳鼻科に行って聴力検査をすることにしました。

補聴器販売店でも聴力検査を受けることができますが、より正確な聴力、鼓膜の振動などを検査するためには耳鼻科を受診した方がいいでしょう。

②耳鼻科を訪れ聴力レベルの確認

診察の結果、加齢による難聴のため、薬などの処方箋はなし。手術をしても改善しない。今使っている補聴器はほぼ役目をしていないこと。補聴器の買い替えを推奨する。耳鼻科の診察は1回のみで再診の必要なし。(補聴器専門店で定期的に聴力確認するしかないとの診察結果)

③補聴器の買い替え

耳鼻科での聴力レベル結果から本人に合う補聴器の選定、調整。
補聴器専門店で定期的(2か月に1回)な聴力確認や補聴器の調整。 

聞こえのレベルの低下は人のよって様々ですが、2か月に1度は店舗に訪れて調整するようにしています。補聴器は何度も店舗に足を運んで調整をすることが大切らしいです。

年齢と伴にしんこうする高齢者難聴は治すことが難しい

結果、難聴を治すことは難しいことが分かりました。しかし、これ以上難聴レベルが下がることを恐れ、日ごろから補聴器を使うようにすることは大切らしいです。

難聴は音を聞いている細胞が死滅することで、音が聞こえなくなるものです。そのため、無くなった細胞を復活させることは今の医学では難しく、どうやったら難聴と上手く付き合っていくのかが大切になります。

コミュニケーションで苦労していること

母との連絡が取れないことが一番の課題ですので、新しい補聴器が出来上がるまで、主に携帯電話を使用し、定期的に連絡を取り合うことにしました。実践した内容は次のとおりです。

新しく補聴器が出来るまでの対応

携帯電話の使い方

携帯電話の使い方をメモ書きした用紙を寝室、居間、台所に貼り付ける。通話やメールの送信、受信方法の手順などを分かりやすく書く。

携帯電話からの発信優先順位を決めておく。年配の方でも使いやすい携帯を購入し、ワンタッチダイヤルに緊急の連絡先を登録しておく。

最近だとらくらくフォンなどはシニア向けに特化しているスマホだと言われているが、正直らくらくふぉんは縛りも多い。普通のアンドロイドフォンを購入して使うことの方がいい。もしくはガラケー。

毎日、朝と夜8時に母の携帯電話へメール送信後、メールの返信確認。就寝前は枕元に携帯電話を置き、バイブレーターにしておくこと。就寝中の携帯電話の充電するよう伝えておく

休日は実家に出かけ、買い物などの用事を済ませる。
月カレンダーやホワイトボードに予定を書き、お互いにスケジュールを確認する。新しい補聴器用電池の在庫が少なくなれば補充する。

補聴器は電池式、充電式があり、充電式の方が価格が高い。電池式は価格が安いが2週間に1度電池を交換する必要あり。

また、電池は小さくコロコロ落ちやすいので注意が必要。結構面倒臭い。

会話で気を付けているポイント

大きな声では話しかけない。(怒っているように聞こえる)補聴器をしている耳の近くでは話さない。ゆっくり話す。伝わりにくい場合は、メモ帳で筆談する。

難聴が進んでいる場合、相手の声を聞いて理解するのに時間が掛かってしまう。特定の周波数が聞こえ辛いなどもあり、筆談などは効果的である。

病院の付き添いで気を付けているポイント

定期的な受診は必ず付き添う。
母と先生の会話を伝言する。受診結果と処方箋は必ず伝える。次の受診日を伝えておく。

その他母の隣保の友人に都度、実家の様子を確認してもらう。

自分一人だけだとどうしても大変になってしまうことがある。その為、周りの助けを受けることは難聴者にとっても自分にとっても大切なことだと感じます。

新しい補聴器が出来上がった後

補聴器の扱い方は使用者含め家族も理解した方がいいと思います。

就寝前は専用のケースに入れ、電池を抜いておく。1日に1回は布で拭いておく。予備の電池は多めに確保しておくこと。入浴時は外しておくこと。

補聴器の取扱いについても、メモした用紙を携帯電話の使い方のメモの下に貼り付け、忘れないようにと伝えておきました。

毎日使うものだからこそ、初めのうちに使いづらいと思われるの避けるために、使い方を一緒に学ぶ姿勢は大切です。

親の難聴を理解するために試したこと

難聴の体験として、耳栓を購入した後、細い穴を開け、難聴者の苦労を理解するように努める。

両耳に耳栓をつけ、実家で午前中を過ごし、周囲の危険度を確認しておく。自分で感じた難聴体験で身体に生じる不快さを覚えておく。日常生活での不自由さを少しでも解決する。
家に閉じこもるのではなく、天気の良い日は散歩に付き合い、気分転換する。 

実際に改善したこと

親の生活をよりよくするために改善したことリスト
  1. 目で見える範囲に必要な物をまとめて置いておく。薬、懐中電灯、非常用ブザー、財布、保険証など
  2. 音ではなく、極力、ランプなどの光を利用する
  3. 電話の通話先には固定電話ではなく、携帯電話にかけてもらうようにお願いする
  4. 固定電話の着信履歴は、実家立ち寄りの際に確認し、内容を伝える。
  5. 固定電話は可能な限り電話帳に登録し、後は迷惑設定にしておく。
  6. 宅急便の配達は、注文したい物を聞いておき、配送先を実家ではなく、自分宛に変更しておく。
  7. 補聴器を使った状態での会話ができる距離を知っておく
  8. 補聴器を使っても聞きづらい場合は、早目に補聴器専門店で聴力確認、調整をお願いする

配達を有効活用して家族の安否確認

配達業者を通し安否確認をお願いする。自分一人だけでは様子を見られないこともあるため弁当業者などにお願いするのは効果的だと感じます。

日用品は家族が買いにいくことも出来ますが、遠方の両親の場合は定期便も便利です。

トイレットペーパー、ティッシュ、水などはAmazonの定期便が簡単でした。

また食事も宅配弁当業者は様々あり、特に高齢者向けでおすすめの弁当サービスもあるので安心です。

噛む力、咀嚼する力が弱ってきている方向けのお弁当宅宅配サービス


噛む力・飲み込む力が弱くなってきた方向けに、 見た目や味、まとまり易さ、飲み込み易さに配慮したやわらかい宅配食を 全国へ宅配する通販ショップ「やわらかダイニング」。

レンジで温めるだけでやわらかい食事が完成するので、 作る方の負担を大幅に軽くし、お食事を楽しめます。

やわらかさのレベルに応じて3つの食事コースをご用意しています。 固い食べ物や大きな食べ物がやや苦手な方向けの食事から、 ムース状の食事まで網羅している為、広いニーズに対応しております。

年を重ねると誤嚥の恐れがあり、知らずしらずのうちの肺炎の魔の手は迫っています。むせることが多くなった人は、誤嚥性肺炎対策をする必要があります。

まとめ

難聴者の聞こえづらさを理解するには、難聴者の立場になり、その不快さ、不便さを家族が理解することが大切です。

特に加齢による難聴は、耳鼻科を受診しても必ず治るとは限らないため、補聴器に頼る生活になります。

補聴器の値段も安価なものから高価なものまで多数ありますので、まずは専門家である補聴器専門店に相談するのが得策です。

安価な補聴器もありますが、自分に合っていないと、頭痛や耳鳴りがひどくなり、ますます難聴を悪化させる可能性があります。

補聴器は身体の一部だという認識が必要です。家族と生活している難聴者は安心ですが、一人暮らしをしている方には家族が

本人の苦痛を理解し、一緒に生活環境を改善していく必要があります。そして改善した後でも、定期的に確認していくことも大事です。

加齢による難聴は根治が困難ですが、生活環境を見直すことで、安心してもらうことも大切です。

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  • この記事を書いた人

insiru

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